Noopの自社プロダクトとして開発している、macOS用のタブ譜エディタ。.gp ファイルを読み書きし、書いた譜面を自分で並べたペダルボード(Resonance Engine)で鳴らせます。AIクライアントから編集中の譜面を直接読み書きできるMCPサーバも内蔵。すべてオフラインで動き、アカウントもテレメトリもありません。2026年7月28日、製品サイト tonograph.app を先行公開しました。
Tonograph は、Noopが自社プロダクトとして開発している macOS 用のタブ譜エディタです。.gp ファイルを読み書きし、書いた譜面を自分で組んだ信号チェーンで鳴らします。すべてオフラインで動き、アカウントもテレメトリもありません。
製品サイト: tonograph.app
つくった理由
タブ譜を書くソフトはすでにあります。けれど多くの記譜アプリは、再生を固定の音源に任せます。書いたフレーズは「譜面の音」で返ってきて、実際に自分が弾いている音とは別物です。
Tonograph の中心にあるのは、そこを埋めたいという一点です。譜面に書いたフレーズを、自分の音作りで鳴らす。 エディタと音作りを、ひとつのアプリの中で地続きにしました。
4つの柱
- 本物のエディタ — キーボード中心の編集、全操作の Undo / Redo、複数トラックと複数ボイス、タブ譜と五線譜の同時表示
- Resonance Engine — 譜面は自分で並べたチェーンを通る。10カテゴリ・22機種のペダルと、トラックごとのミキサー
.gp 互換 — gp3・gp4・gp5・gpx・gp を読み込み、.gp を書き出す
- 印刷品質の PDF — A4 / Letter のベクタ出力。余白・倍率・ヘッダ・ページ番号を指定できる

譜面を、自分の音で鳴らす
再生の経路は自分で組みます。固定の音源の末尾にリバーブのつまみが付いている、という作りではありません。コンプレッサー、オーバードライブ、ディストーション、ファズ、EQ、モジュレーション、ディレイ、リバーブ、アンプ、キャビネット——実機と同じように並べ替え、バイパスし、ボードごとプリセットとして保存できます。
音源もすべてアプリ内で合成しています。弦は物理モデルでリアルタイムに合成しているので、ベンドは録音の音程を動かすのではなく弦そのものが曲がります。サンプルライブラリを持たないため配布物は小さく、入れた直後から鳴ります。ダウンロードするものはありません。
奏法は音量ではなく音色に届きます。パームミュートは減衰を短くし、デッドノートは音を潰し、ハーモニクスは倍音を削ぎ、スラップやタップは弦への当たり方が変わる。エンジンにとって譜面は、音程の並びではありません。
AI と一緒に、アプリの中で書く
Tonograph は MCP(Model Context Protocol)サーバです。Claude Desktop などの AI クライアントを向けると、モデルは書き出したコピーではなくいま開いている譜面そのものを読み、編集します。読み取り・編集・Undo / Redo をあわせて24個のツールを公開しています。
変更は、あなた自身の編集と同じ履歴に入ります。だから ⌘Z で取り消せます。任意の小節範囲を画像として描画させられるので、モデルは「書けたはず」で済ませず、実際に書けたものを目で確かめられます。

主導権は使う人にあります。承認モードを有効にすると、書類に触れる操作はすべて差分として示され、あなたの「はい」を待ちます。サーバは 127.0.0.1 でだけ待ち受け、すべてのリクエストにトークンを要求し、設定で有効にするまで起動しません。既定はオフです。
中身の設計
記譜ソフトの難所は、組版・.gp 互換・MIDI 生成です。ここは実績のあるライブラリ(AlphaTab / MPL-2.0)に委ね、編集モデルは自前で持つ折衷アーキテクチャを採りました。
- 編集モデルが単一の真実のソース。 ライブラリのオブジェクトをその場で書き換えない
- 描画・再生・書き出しのたびに、譜面データをゼロから組み直す。 表示と実体がずれない
- 編集はすべて「新しいモデルを返す純関数」。 破壊的変更をしないから、Undo が全操作で素直に効く
- 読み込みで表現しきれなかったものは、黙って捨てずに警告として返す。 互換性の限界が常に見える
書き出しも同じ考え方です。.gp に書き出す前に、その形式が持ちきれないものを具体的に知らせます。黙って落ちることがありません。

譜面の下の盤面は、いまいるトラックの種別に追従します——弦ならフレットボード、音高トラックならピアノ、打楽器ならパッド。再生に合わせて光り、そこから音符を入力することもできます。
所有できるソフトウェア
- 買い切り — Mac App Store で一度買うだけ。サブスクリプションはありません
- 完全オフライン — ネットワークが無くても全機能が動きます
- アカウント不要 — 登録するものも、サインインするものもありません
- テレメトリなし — あなたのことも、Mac のことも、譜面のことも収集しません
無料版と有料版の分け方も、ルールは1つだけです。無料版は、ディスクへ書き出す操作以外すべて使えます。 開いて、編集して、鳴らして、AI と一緒に書くところまで無料版で試せます。
いまの状態
2026年7月28日、製品サイト tonograph.app を先行公開しました。アプリ本体はこれから——無料版はサイトから直接(署名・公証を済ませ次第)、有料版は Mac App Store の買い切りとして配布します。UI は英語・日本語・スペイン語・ポルトガル語・簡体中国語の5言語、ライト / ダーク対応。動作環境は macOS 12.0(Monterey)以降、Apple Silicon と Intel の両方です。
書き下ろしのサンプル譜面を3曲同梱しています。そこで鳴っている音はすべてアプリ自身が合成したもので、サンプル音源も外部プラグインも使っていません。
書いた譜面が、自分の音で返ってくる。つくりたかったのは、その一往復です。
Guitar Pro は Arobas Music の商標です。Tonograph は Arobas Music と提携しておらず、承認も受けていません。